映画『空母いぶき』のレビューと、オススメ映画をご紹介!

映画『空母いぶき』を観てきました!

この映画は近未来の日本を舞台に、某国からの侵略行為に立ち向かう空母部隊の戦いを描いた映画です。

原作はかわぐちかいじ氏の同名マンガで、まだ完結していない連載中の作品です。

現代日本でもし外国から侵略行為を受けたら、その時に自衛隊や政府はどう対処するのか?

日本人は平和と戦争について、どう向き合うべきなのか?

周辺諸国との緊張が続くなかで、映画としてこれほど意義のあるテーマを扱った作品は邦画ではなかなかありません。

そういう意味でとても楽しみにしていた作品でしたが、鑑賞して色々腑に落ちないことがたくさん。。

公開前に話題になった騒動含めて、『空母いぶき』をレビューしたいと思います!

映画『空母いぶき』のあらすじ

20XX年、12月23日未明。未曾有の事態が日本を襲う。沖ノ鳥島の西方450キロ、波留間群島初島に国籍不明の武装集団が上陸、わが国の領土が占領されたのだ。海上自衛隊は直ちに小笠原諸島沖で訓練航海中の第5護衛隊群に出動を命じた。その旗艦こそ、自衛隊初の航空機搭載型護衛艦《いぶき》だった。(公式サイトより抜粋)

『空母いぶき』第二弾予告映像【90秒】(5月24日 全国ロードショー)

深い作品テーマと重厚なキャストが揃っているのに、なんで?と突っ込みたくなる惜しい映画

最初に映画『空母いぶき』の原作は読んでいません。

ですので、原作との相違とかは関係なく、純粋に映画として面白かったのかという点で振り返りたいと思います。

それで作品を「良い・普通・悪い」で言いますと、「普通」でした。

この手の作品は好みが分かれますが、私は好きなほうで比較的楽しめました!

ただ前述したとおり、突っ込みたくなるポイントが多く、割とそれが致命的なもので明らかに作品にマイナスでした。

もしまだ観てない方でしたら、ネタバレありですので鑑賞後に読んでいただければと思います。

敵の設定がメチャクチャでリアリティに欠ける

映画『空母いぶき』で登場する日本の敵は、「島嶼国家カレドルフ」という国家(集団)。

フィリピン近くにある島々を時刻の領土としながら、過激な民族主義を掲げて周辺国の領土を武力で奪おうとしています。

もちろんフィリピン近くにそのような国はなく、島もありません。

つまり「カレドルフってなに?」ってところから物語は始まるのですが、そういうものだって気にしないようにしないと最初から置いてきぼりをくらいます。

原作でははっきりと中国という設定にしていて、映画用に原作設定を変更しています。

原作ファンにとっては、この時点でガッカリですよね。

それは私にとっては許せる範囲ですが、このカレドルフという国は何十機という戦闘機と空母や潜水艦を操れる武力を保持しています。

たぶん、イスラム国がイメージ的に近いと思いますが、イスラム国が空母を保有しているなんてあり得ないですよね。

ある意味テロリストのような戦闘の素人が勝手に作った集団(国と言い張る)が、自衛隊と互角に戦闘するという設定に無理を感じます。

映画では周辺国の後押しがあるのでは?というセリフがありますが、だったらその国との対立も描いて良いはず。

でもそのような展開はなく、外交の話は「対国連」のみです。

日本国と自衛隊の物語に注力した内容だから、敵側のことまで描かなくていい。

こういった理由付けも分かりますが、それにしても興ざめする設定ではないでしょうか。

原作とおりの設定であれば、なんら違和感を感じないのに、余計な設定変更で作品の世界観を台無しにしている、悪い見本にしかなっていないです。

ストーリーに不要なエピソードが含まれていて違和感

映画『空母いぶき』では、4つのストーリーが並行して進みます。

1,空母いぶきの艦長を中心とした、自衛隊とカレドルフとの戦闘

2,内閣総理大臣を中心とした、政府関連の対応

3,空母いぶきに乗船していた女性記者と、所属するネットニュース社の対応

4,コンビニエンスストアで働く店長を中心とした、一般市民の生活

全体としてストーリーの中心は1・2ですが、それと並行して現代社会におけるネットの影響力と末端の市民の生活まで幅広く描いています。

空母いぶきを中心とした自衛隊がなぜ戦うのか、戦後の平和政治は正しかったのかという究極の問いを考えるために、恐らく原作にはないエピソードも入れて深みを増そうとしたのでしょう。

でもそれが効果的だったかというと疑問です。

3のストーリーについて、本田翼演じる女性記者は通常の取材で偶然いぶきに乗船していて、戦闘に巻き込まれます。

かなりのネタバレですが、彼女はある隊員の死に立ち会い、その模様を世界に配信します。

それが一連の戦闘に終止符を打つきっかけになるのですが、詰まるところ「やっぱ平和っていいよね」ってオチで締めくくっています。

今作は「日本の国防をどう考える」かが本来のテーマなはずなのに、平和というこれまでと変わらない反戦テーマで終わってしまうのが勿体無いです。

「戦争はよくない」はごもっともですが、そういう当たり前な考えが通じない相手と戦う時にどうするべきなのか。

そこを本来突き詰める内容にするべきなのに、「ネット社会に救われました」ではあまりにお粗末なエンディングですよね。

作品がもつ本来のテーマがぶれる、残念なエピソードでした。

また4のコンビニを舞台にしたストーリーについて、はっきり言って必要性が分かりません。

「平和な日本」を象徴するシーンとして、コンビニでの日常を描くのは分かります。

でも自衛隊の戦いや政府の対応という、緊迫したストーリーの合間にコンビニが入るのは話の腰を折っているとしか思えません。

これも「やっぱ平和っていいよね」を補完するための材料になるのですが、映画『空母いぶき』はそんなに平和を語りたかったのでしょうか。

コンビニ店長として中井貴一が出演したいたのが、唯一の救い?かもしれません。

佐藤浩市氏の発言騒動は、完全な空振り

映画『空母いぶき』は公開前に、総理大臣役の佐藤浩市が発言した役作りのコメントに対して話題になりました。

詳細は省きますが、安倍首相の持病を揶揄したと受け取れかねないコメントをしたからです。

では実際の彼の演技はどうだったのかと言うと、人をバカにするような不愉快な設定も演技もありませんでした。

プレッシャーに弱くお腹を下しやすい総理という設定にされたそうですが、それを伺えるシーンはありません。

トイレから顔色悪そうに出てくるシーンはありましたが、それは一瞬ですぐに別の会話劇に移ります。

もし総理の設定が大事なポイントだったのなら、もっと分かりやすく表現するべきところ。

ある意味期待して観てみたら、肩透かしをくらった印象です。

もし編集でカットされていたのなら、未公開シーンとしてぜひ観てみたいですね。

それでも映画『空母いぶき』は観てほしい!

残念なポイントを書きすぎましたが、それでも今作は現代日本が抱えるテーマに正面から向き合った良作だと思います。

前述したポイント以外では、緊迫した戦闘シーンと多彩な役者の演技に引き込まれます。

邦画では滅多にない超大作として、永く語られる作品になるでしょう。

映画『空母いぶき』に関連する、おすすめ映画をご紹介!

映画『空母いぶき』を楽しめた人・そうでなかった人にオススメしたい映画をご紹介します!

宣戦布告(2001年)

映画『空母いぶき』を鑑賞した時に、まっさきに題材が同じだと思いだしたのが『宣戦布告』でした。

映画の内容は、国籍不明の潜水艦が日本領海内で座礁しているが発見され、工作員が上陸した可能性が浮上。捜索していた警察が倒され、事態は国同士の戦争へと発展していく。

洋上の戦いを描いた映画『空母いぶき』と違い、日本本土での戦闘を描いているのが今作の見どころ。

敵への攻撃ひとつで右往左往する日本政府のダメさ加減を、これでもかと描かれていますが、フィクションの世界と笑い飛ばせるか疑問です。

映画『空母いぶき』とセットで観てほしい作品ですね。

亡国のイージス(2005年)

映画『空母いぶき』に通じる、海上自衛隊とテロリストの戦いを描いた作品です。

映画の内容は、海上自衛隊のイージス艦が内通者の協力により占拠されます。日本への攻撃を企てる中、一人の隊員が抵抗を試みます。

イージス艦がテロリストに占拠され、しかもテロの思想に共感した自衛官までそのテロ行為に加担しているという異常事態。

平和を謳歌する日本に突如として戦争という暴力を振りかざすテロリストの恐怖は、『空母いぶき』にも勝るリアルさがあります

その中で孤軍奮闘する自衛官の人情味あふれる活躍ぶりが見ものですよ!

今作は原作があり、作者は福井晴敏で映画『空母いぶき』の企画にも参加しています。

またキャストも、佐藤浩市・中井貴一・中村育二と映画『空母いずも』に出演している面々が同じく共演しています。

比較して鑑賞してみてはいかがでしょうか!

以上になります。
素敵な映画ライフを♪

U-NEXT

コメント

タイトルとURLをコピーしました